特定技能2号在留資格を取得するために
4月13日、岐阜県各務原市の建設会社で働く中国籍の翁飛さん(35歳)が、日本初の「特定技能2号」の在留資格を取得しました。翁飛さんは、建設分野:コンクリート圧送職種で監督者として一定の実務経験を積み、試験に合格し、「特定技能2号」の在留資格の基準を満たしました。
特定技能2号を目指す方にとっては朗報ですね。今回は、建設分野における特定技能2号について詳しく説明します。
1.「特定技能」とは
特定技能は、2019年4月に設立された、日本で外国人にさらに活躍してもらおうと作られた在留資格です。特定技能1号と特定技能2号2種類があり、特定技能2号は1号よりも、専門的な技能が必要です。
現在、特定技能1号で働けるのは介護、ビルクリーニングなど14分野がありますが、特定技能2号で働けるのは建設、造船・舶用工業2分野しかありません。
※「特定技能」について詳しく知りたい方は、サイト内の「特定技能マニュアル」をご参考ください。
2・特定技能2号のメリット
- 在留期間の無期限更新が可能
- 転職できる
- 家族帯同が可能
- 永住権取得可能
3.特定技能2号を取得する条件
今回は建設分野の「コンクリート圧送」職種の条件を説明します。業種によって特定技能2号を取得する条件が変わりますので、必ず受け入れ企業に確認ください。
(1)試験合格
以下の2種類試験のうち、どちらかに合格する必要があります。
①「建設分野特定技能2号評価試験」
②建設分野での「技能検定1級」
受験資格:7年以上の就業経験が必要
(例:技能実習3年+特定技能1号4年;技能実習5年+特定技能1号2年)
※業種によって経験年数が相違します。
(2)実務経験
7年以上(1505日)の就業経験と1年以上(215日)の職長又は班長としての就業経験が必要です。
「職長又は班長としての就業経験」とは、複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理することです。職長・班長になるために、「職長・安全衛生責任者教育」を受講しなければなりません。
(3)「建設キャリアアップシステム」のレベル3資格を取得
「建設キャリアアップシステム」とは、建設技能者の保有資格や経験年数などをデータベース化したものです。必要な情報を登録し、能力評価を受けて、レベル3(職長として現場に従事できる技能者)を取得しなければなりません。
- 評価項目:
①就業日数
②保有資格
③職長・班長としての経験日数
能力評価に必要な具体的な基準は、職種ごとに策定される能力評価基準において定められていますので、該当する能力評価基準を確認してください。
- 申請に必要な書類:
能力評価の申請では、必要な書類が複数あります。申請書類や様式は職種によって異なりますので、「建設キャリアアップシステム」、また受入れ企業に確認してください。
「特定技能2号」の在留資格を得るには、高度に専門的・技術的な業務を遂行できるだけでなく、監督者として業務を統括する能力が求められます。これは、すぐに達成できることではなく、日々の業務の積み重ねと技能の向上に向けた努力が必要です。
2022年4月現在、特定技能2号の取得は、「1号からの移行」のみに限定されています。まずは特定技能1号を取得してから、技能試験を受けて2号に移行する形となります。また、分野や職種による、条件が変わることもありますので、ご注意ください。
現在特定技能2号を設けられているのは建設業と造船・舶用工業の2つの分野のみですが、2021年11月17日のニュースで特定技能1の14分野中13分野(介護以外)が特定技能2号へ移行可能になる方向性が見えます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
参考:
- JLEFsupport「特定技能マニュアル」
- 出入国管理庁‐特定技能制度
- 一般社団法人建設技能人材機構JAC
- 各能力評価実施団体の連絡先及びホームページ
- 建設キャリアアップシステム
- 建設分野の2号特定技能外国人に求める「班長としての実務経験」について
※2022年4月19日現在の情報です。